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長きにわたる傷と痛みを治す <第58号>  

  • yshibata63
  • 9月20日
  • 読了時間: 2分

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交通事故では毎年30万人余りの人が軽重の負傷に見舞われています。

また、労務上の事故、日常生活の中での転倒や打撲などの不慮の事故によっても多くの人達が負傷しています。

 

これらの事故では、骨折・関節の損傷・内臓や皮膚に起きる外傷など、いずれも痛みや腫れを主とした強い症状が生じます。症状が強く長期間に渡って続くと、筋肉に強ばりや皮膚の“ひきつれ”などの症状が出始め、体の動きの妨げになってきます。 一方、内臓の病気に伴う開腹・開胸手術後や骨折後のなかなか消えない周辺組織や縫い合せ部分の皮膚の痛みやひきつれに長期に渡って苦しんでいる人がいます。 


病院では、皮膚表面が見た目にきれいに縫い合されていればそれで完了、そして骨折後のレントゲン所見では骨折線が消えて癒合したと診断されればそれで完治とされ、患者さんが継続して苦しんでいる痛みやひきつれなどの処置に関してはあまり親身になって処置をしてもらえないことも少なくありません。

訴えても、そのうち治るでしょうとか、精神的なものだからといって取り合ってもらえないという話を多く聞きます。 

 

このような症状に対し三療治療(鍼・あん摩・指圧・マッサージ・灸)では、鍼とマッサージが著効します。ギプス固定や術後の長期間の処置によって生じた皮膚・皮下組織・骨幕などから発する痛みや、吸収されずに滞っている微出血やリンパ液を流し、周辺組織の硬直を除去することで症状が軽減・消失していくので回復促進に大いに寄与できます。 


三療治療の方法としては、痛みのある骨折部や傷、縫い合せ部分の周辺の皮膚面と皮下組織に浅い鍼を適切に施し、次いで周辺にやや時間をかけて広くマッサージを行います。

 

これまでの私の経験として症状が改善できた症例としては 

①胃癌手術後の縫合せ面の痛みと赤色の腫れに対する著効

②左右の乳癌に伴う乳房切除後の腋の下から鎖骨の下にかけての強い痛みと皮膚の“ひきつれ”に対する著効

③足指骨折後においてレントゲン検査では完治が告げられたものの、歩けないほどの痛みに対する著効 

④肋骨骨折後の肋間筋へのアプローチによる呼吸困難の改善と痛みの除去に対する複数例の著効

 

などが挙げられます。 あまり知られていない三療の治療分野ではありますが、苦悩していらっしゃる方は大変多いと思われます。ぜひともお試しください。                    

                     次回(第59号)は都合により10月2日(木)頃に発行予定です。

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