痛みと三療
- yshibata63
- 2023年11月30日
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体には、痛みを感じ取る神経が爪や髪の毛など一部の組織を除くあらゆる場所に張り巡らされています。
神経の先端に痛みの感覚を需要する痛点があり、その数は1センチ角の中に50~250個、全身に200万個程あるといわれています。
痛みは体に取って危険な状態を教えてくれる機能として体の防衛反応としての作用も有しています。
皮膚を切ったり体をぶつけて打撲して組織を損傷すると、その部位に即座に鋭い痛みが発生します。
感染症にかかった場合、発熱だけでなく、それぞれの病原体によって異なる痛みが全身の各所に発生します。
運動をし過ぎたり疲れが蓄積すると、筋肉内に乳酸などの老廃物質がたまって筋肉に様々な強さの痛みが発生します。心臓や胃などの内臓の不調では、急性の病状の場合はかなり激しい痛みが出ますが、徐々に進む病状の場合はある程度時間をおいて鈍く重い感覚の痛みがその臓器のある場所もしくは関連する体表面に投影されて感じるようになります。骨折や関節の障害では、骨の表面を覆う骨幕や関節を作る組織から痛みが発生し、比較的長い期間に渡って続きます。
三療(鍼・あん摩・指圧・マッサージ・灸)は、狭心症や心筋梗塞などの重篤な疾患や急性の感染症に伴って生じる痛みを除き、多くの痛みの治療が可能です。中でも痛みが即効的に取れ易いのは筋肉の痛みで、日常生活の負担によるもの、スポーツによるオーバーユースに伴うものなどが挙げられるほか、急性に起きる首の寝違いや足首の捻挫(ねんざ)にも適用します。
脊柱管狭窄症に伴う下肢の神経障害や座骨神経痛では、やや治療回数はかかるもののその痛みは軽減します。反復して起きる頭痛や腹痛は、悪性の腫瘍がないことが確認されたうえで治療を行うと、痛みの回数や強さが軽減します。原因がはっきり特定できない背中や手足の痛みも、治療師の技量に基いて治療を行えば痛みの解消が期待できます。
痛みは、人それぞれの感受性、痛みの強さや持続時間や期間によって異なるとはいえ、日常生活に負担を強いるうえに精神的にも悪影響を及ぼします。
私たち三療師は、痛みに応じた治療の内容を選択し、より早く痛みが軽減、消失するよう取り組んでいます。上記の様々な痛みのどれかに皆さんも当てはまると思います。ぜひ痛みを我慢せず、仕方がないと諦めずに痛みを鎮めて快適な生活ができる選択肢を選んでください。 <第9号>



