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お尻の痛みにご用心(後編) <第66号>

  • 2025年12月20日
  • 読了時間: 3分

前号からの続きです。全身の中でお尻は痛みを感じにくい部位の一つです。

ここに痛みを感じるようになるということは、体に何らかの危険を知らせていると認識していいでしょう。

 

本号では、お尻の痛みの数々を記します。

まず、いわゆる”尻もちをつく”という外力による痛みです。


体を支えきれず上半身の体重を乗せたまま固い地面や床にお尻が突撃する場面は、数えれば何百回も経験しているはずです。子供の頃は何の痛みも感じず立ち上がれるものですが、成人になり歳が増すごとにダメージが大きくなり、痛みは座骨や大殿筋に深く入り込んで蓄積し、治りにくくなっていくのです。日常的には歩く際にも立ち続ける時にも力が加わるために、痛みは継続し悪化していくこともしばしばです。 


座り続けることによる痛みは、近年在宅ワークや事務仕事の人達に多く発生しています。上半身の体重をお尻にかけたまま座り続けることで、圧迫による血流障害が生じて痛みを感じるようになります。座り方を工夫し、硬過ぎない座面に変えたうえで、根を詰めて座り続けないよう心がけ、定期的に立ち上がって歩くなどの動きを行うことが痛みの発生予防につながります。 

 

坐骨神経痛はよく知られていますが、神経の本幹がお尻の深い場所を内上から座骨の外側を通って大腿部に向かって走っていることにより、足の痛みと共にお尻にも強い痛みを発生します。中でも梨状筋(りじょうきん)症候群ではお尻の部分の痛みが顕著になります。

 

骨盤内臓の病状から波及するお尻の痛みもあります。骨盤内臓には、膀胱・直腸・子宮・卵巣などがあり、これらの臓器に病状が長期間続くと、内臓と筋肉や組織との間で起きる反射メカニズムによってお尻の痛みが発生してきます。特に女性に多い慢性的な生理痛では、腰の痛みに続いてお尻や仙骨部に重苦しい鈍痛や強い痛みを感じるようになってきます。

 

 

お尻は本来、血液循環に富み、柔らかく弾力性のある部位です。しかし上記のような各種の原因による痛みが発生すると、筋肉が硬くなって盛り上がり、運動時にも安静時にも痛みを生じるようになります。

 

三療(鍼・あん摩・指圧・マッサージ・灸)の治療では、硬くなって圧すると痛みを発している筋肉や神経、組織に対して施術し、痛みの解消に努めます。循環も良い部位なので効果は高く、十分な改善が見込めることが多いと実感しています。なお、痛みを和らげる意図で硬く尖った道具やゴルフボールなどを当てて痛い部をゴリゴリしている人が多いようですが、これは痛みの悪化の助長や慢性化へとつながるやり方なので原則お辞めになることを付記させていただきます。

※67号は同日発行、次々号(68号)は12月30日頃に発行予定です。            

            

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