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腸のご機嫌と付き合う-前編-

  • yshibata63
  • 2024年10月20日
  • 読了時間: 3分

誰しも大なり小なり、体調の変化や何らかの出来事によって気持ちに変化が生じ、機嫌が良くなったり悪くなったりするものです。その体調に影響を与えるものの一つとして、おなかの具合の良し悪しがあるのではないでしょうか。


腸は、胃に続く部分で小腸と大腸に別れます。

小腸は、長さ6~7mあり、おなかの真ん中部分に位置し、グルグルと曲がりくねって押し込まれていて、飲食物の消化と栄養分の吸収を行う働きを担っています。

大腸は、1.5~2mあり、小腸の周りを取り囲むように右下腹部から上腹部を通って左下腹部に降りて肛門に至る場所に位置し、おもに水の吸収と便の生成を行います。


飲食物は、腸全体で8~9mにも及ぶ長い管の中を数時間から一日かけて、腸が有する蠕動(ぜんどう)と呼ばれる、収縮と弛緩を繰り返す運動により運ばれて行くのです。

腸のご機嫌を知ることができる要素として、便の状態、おなかに感じる痛みや違和感、おなかの皮膚表面の温度や硬さ等があります。

 

便の状態は実に様々です。1日をかけて生成される便は、ほど良い水分を含んだ硬さと大きさ、まとまりで排出されるのが望ましいわけですが、常にこのようなベストな状態が続いている人は実のところ少ないでしょう。水分が多く含まれ、柔らかくなって複数回の排出が短時間内で続く下痢、水分が少な過ぎて硬さが増し、量も少なくなって腸内に滞留した結果、複数日に渡って排出が起きない便秘、このどちらかに腸のご機嫌が偏っている方のほうが多いのではないでしょうか。

 

下痢も便秘も、起こる原因やメカニズムは余りにも様々ですので、ここで詳細を書き記すことは出来ません。

予防する方法は数多くあるでしょうし実践して自分にあった方法を修得されている方もいらっしゃるでしょう。

 日常の手立てとして大切だと思うことを記します。

下痢は、食べ過ぎや飲み過ぎ、おなかを冷やし過ぎた時などに起きることはおわかりのことと思います。多くはおなかや腰など体幹部分を温めることで楽になります。ただし下痢の原因が感染症であったり、発熱を伴うような場合は、悪化につながりますので間違えないよう対応してください。

 

便秘は水分の摂取不足が最大の原因ではありますが、水分が十分であっても便秘に困っている人は多くいます。便秘には腸管の収縮が強いために起きる“痙攣性便秘”と、腸管の収縮力が弱く管腔が広がっているために起きる“弛緩性便秘”があります。いずれにおいても便秘の人は“便意の我慢”と“いきんだ排便”は禁物です。我慢は便秘を助長し、いきみは肛門部を刺激して痔(じ)にもなりかねません。 (後編(次号)へ続く)

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