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耳は“シーン”と静かにしていてほしい

  • yshibata63
  • 2024年3月30日
  • 読了時間: 2分

更新日:2024年4月9日



音を聞く耳。耳はどの方向に向いていても、何をしていても、眠っていても、休むことなく働いて外からのいろいろな種類、様々な大きさの音を拾って“情報”として集めます。


このように外からの音だけが耳に聞こえてくればそれが正常な状態です。ところが、耳の奥で聞こえる大きな音(異常な音)が、なぜか発生してしまうのです。これを”耳鳴り”と呼び、ほとんどの人が経験したことがあるはずです。この音は、ガサガサ・バリバリ・キーン・ブーンなどと表現され、異変として気付きますが、ほとんどの場合は数秒から数時間程度で消えるため、問題にはなりません。けれどもこれが長期間に渡るようになったり、次第に強く大きくなったり、また、”セミが泣くようなシャンシャン・ジャンジャンという音”、”虫が泣くようなリンリン・ピリリピリリという音”、”お風呂の中にいるようなワーンワーンと反響する音”などと表現される音が止むことなく続いて聞こえるようになると、一日中意識から遠のかなくなり、これが病的な状態として、日常的な苦しみとなってくるのです。

 

耳の中は、入り口から鼓膜までを外耳、鼓膜からさらに奥にある空間を中耳、音を音として認識する中枢のある内耳に分けられます。頭を動かした時だけ、ガサガサ・バリバリなどと聞こえるのは、外耳と鼓膜部分に溜まった耳垢による音で、これを取り除けば消えるため、最も問題のないものです。これ以外の常時聞こえてくる音は中耳や内耳の部位に原因があるので、何らかの手立てを考えなければなりません。加えて音が聞こえにくくなる難聴、内耳にある平衡感覚や加速度を検知する器官の不具合による眩暈(めまい)も合併すれば苦悩が増します。

 

内耳は実に小さく微細で複雑な構造で、その機能も精密です。治療薬や機能状態を調べる医療機器の開発は進んではいるものの効果が出にくく、医者に匙を投げられてしまう傾向にあります。耳鳴りが二日以上続く時には、早急に治すための行動に移すことが肝要です。耳鳴りは手当が遅れれば送れるほど改善の手立ては乏しくなります。

 

三療(鍼・あん摩・指圧・マッサージ・灸)治療では、耳の周辺と東洋医学的関連部位に対する施術を行うほか、随伴する首や肩の凝りや痛み、精神的苦悩に対する不調和の改善を目的としたアプローチを行って耳鳴りの音の軽減や体調のケアを図ります。


”シーン”と表現されて聞こえる小さな静かな音。これは生理的に内耳で発生している音とされています。

この音が意識に上った時は、心を鎮めて目を閉じてみてはどうでしょう。         <第21号>

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